ムーブメントの収納タイプ
腕時計のほとんどのモデルは時計本体(ケース)にムーブメントが収納されています。時計ケースの形状や構造によって、裏蓋を開けてムーブメントを取り出すタイプ、ベゼルを外して前面からムーブメントを取り出すタイプなど様々なモデルが存在します。
今回はロレックスのムーブメントを例に取り、ムーブメントの固定方法とよくあるトラブルをご紹介します。
ロレックスのムーブメント固定方法
ロレックスのムーブメントは、裏蓋を開けて、裏側からムーブメントを入れるタイプになります。
ムーブメントをケース内でしっかりと固定するために使用されている部品は下記の通りです。
ロレックス/GMTマスターⅡ/16710/キャリバー3185
機止めネジで時計ケースとムーブメントを固定するタイプです。ネジの頭部分にある円形の板によってムーブメントを固定します。
ロレックス/デイトナ/116520/キャリバー4130
機止め板とネジが単独の部品になっていて、機止め板をネジで止めることでムーブメントを固定しています。比較的大きいムーブメントに採用されています。(デイトナ、デイデイト、その他新型ムーブメントなど)
ロレックス/ミルガウス/116400/キャリバー3131
ミルガウスや、新型のエアキング(2016年発表)は、機止めネジなどではなく、ムーブメントを中蓋で固定する構造になっています。
機止めネジに関連したトラブル
機止めネジ関連の不具合は、「手巻きや時刻合わせなど、リューズ操作をした際に文字盤が動く(がたつく)」などの症状が起こります。ネジの緩みが原因であれば締め直すことで改善することができますが、機止め板やネジ自体に破損がある場合は交換が必要になります。
機止めネジが折れています。外部からの衝撃や部品の経年劣化により折れてしまいます。ネジが内部に折れ込んでいる場合は、除去する作業が追加で必要になります。
機止めネジの頭部分が欠けています。こちらも外部からの衝撃による場合が多いです。
異常を感じたら……。
リューズ操作時に文字盤ががたついたり、異音がするようになったら、機止め部品に異常がある可能性があります。ネジが折れてしまっている場合、折れた部品の破片が内部に入ることで、時計が止まったり、別の部品にダメージを与えてしまう可能性があります。
リューズの操作に違和感を感じたら大きなトラブルになる前に、無料の時計診断を受けていただくことをお勧めいたします!