自動巻き時計の不具合
自動巻きの時計で起こる不具合の中でも特に多い修理内容は『自動巻き部分の不良』です。今回はオメガやブライトリングなどのクロノグラフモデルに最も多く使用されているCal.ETA7750を例に取って紹介していきます。
自動巻き不良の原因
自動巻き関連の不具合は以下の通りです。
1. リバーシング(切替車)のほぞが摩耗、もしくは劣化による動作不良
2. リバーシングストップバネの形状不良によるもの
3. 角穴駆動車など、自動巻き輪列関連の車の不良
1.リバーシング不良
※写真はCal.ETA2892のリバーシング
リバーシングのホゾ(中心軸)摩耗、もしくはリバーシング自体の動作不良によって、削れによる金属粉やさびが発生します。また、手巻きをした際にローターが一緒に回転してしまう症状(連れ回り)が起こります。
2.リバーシングストップレバー不良
手巻きや自動巻きによって巻上が行われた際に、ゼンマイがほどけていかないように、自動巻きローターを止めている部品がリバーシングストップレバーです。長期間の使用によってレバーの先端が削れてしまうと、ローターの動作を抑制することができず、回転してしまいます。
3.自動巻き輪列不良
角穴車など、自動巻き上げ関連の輪列が摩耗してしまうと、歯車同士の噛み合いが悪くなり、手巻きの重さが異常に重くなります。また、金属粉やさびの発生が起こります。
メンテナンスは定期的に!
歯車の摩耗により、金属粉が発生すると、固着した金属粉がさびになったり、金属粉がいろいろな箇所に入り込むことで、他の部品の摩耗を進めてしまう恐れがあります。そのため、当店では3年~5年に一度の定期メンテナンスをお勧めしております。ぜひ無料の見積りをご利用ください!