特殊な外装構造
機械式時計のケース構造はブランドやモデルによって多種多様です。今回はその中でも異彩を放つモデル、ベル&ロスのBR03シリーズの構造をご紹介します。
ベル&ロス/アヴィエーション/BR03-92
ベル&ロスのフラッグシップともいえるモデル。フォルムは航空機のコックピットをそのまま再現したようなデザインで、見た者の目を引きます。42mmというサイズも存在感を放ちます。
分解方法
1.ケース裏のねじを外します。
2.巻真(リューズとムーブメントをつなぐ棒状の部品)を外します。穴の先にはリューズを押さえるオシドリという部品があり、工具で押しながらリューズを引くとリューズと巻真を抜くことができます。
3.ケース正面のネジを外すと、前面のベゼル部分とガラスを外すことができます。
4.文字盤にある4箇所のネジを外します。(写真前)
文字盤のネジは時計ケースまで貫通していて、しっかりと固定される仕組みになっています。(写真後)
5.文字盤とムーブメントを取り出すことができました。
特殊構造のケースの落とし穴
時計ケースとムーブメントの兼ね合いでケースを構成する金属間にさびが発生することがあります。
さびが侵食すると、防水性能が低下したり、水入りにより文字盤や針に大きな損傷が起こってしまう可能性があります。定期的に外装もメンテナンス(さびの除去、パッキン交換など)して、きれいな状態を保つことが時計を永く使っていただく秘訣です。