時計ガラスの取付方法
時計のガラス(風防)を取り付ける方法として、主に3つ挙げられます。
・ガラスパッキンによる固定(ロレックス、ブライトリングなど)
・接着剤による固定(フランクミュラー、カルティエなど)
・圧入式(オメガなど、プラスチック風防が採用されているモデル)
今回は接着剤で取り付けをするフランクミュラーとカルティエを例にご紹介いたします。
ガラス接着剤の劣化
※フランクミュラー/トノーカーベックス
経年劣化により、ガラスの接着剤が劣化したガラス(前)ガラスの再接着を行ったガラス(後)
※カルティエ/リュバン
ガラスの接着剤が変色したガラス(前)ガラスの再接着を行ったガラス(後)
ガラスの取付順序
1.経年劣化により変色してしまった接着剤をガラス、ケースから除去するために剥離剤に浸します。
劣化が進行すると、超音波洗浄機にかけると外れる場合もありますが、ガラスの破損がないよう慎重に作業を行うため、剥離剤を使用します。
2.取り外したガラスとケースの接着面に残っている接着剤を残らずすべて除去します。接着面にもともとの接着剤が残っている状態だと、新しい接着剤がしっかりと浸透しないため、ガラスを再接着した際の見栄えが悪くなります。
3.上記2点の作業が完了したら取り付け作業を行うことができます。
当店では紫外線硬化作用のある接着剤を使用しています。粘度が低く、ガラスとケース間にしっかりと浸透します。また、無色のため接着完了後の見栄えがよく仕上げることができます。接着剤を塗布し、ケースにセットした後、接着剤が不足している箇所に接着剤を追加し、全体に完全に浸透したことを確認し完了となります。
ガラスの接着面が変色してきたと思ったら……
ガラス接着剤の劣化は、文字盤への湿気や細かいごみの混入だけではなく、防水性の低下による水入りの原因にもなります。
お手持ちのお時計の文字盤に小さいごみや目立つようになった、針やインデックスのくもりが出始めたなど、少しでも目に見える部分で変化がございましたら、是非ご相談ください。無料でお見積りさせていただきます。